カワチブログ

ライター・カワチのブログです。更新頻度は低いですが、なる早でなんとかします。

2回目のはじめましてと今月のテーマ!

 どうも、ゲームライターマガジン船長のカワチです。2年間ぐらいゲームライターマガジンをやっていましたが、今、はじめて船長と名乗りました。錨を上げろ!

 ということで、ゲームライターマガジンは4月より基本無料で再スタートします!

note.com

もともと、ゲームライターマガジンは現役のゲームライター陣がお題にそったテーマや自分の好きなゲームをプッシュするマガジンで、2,019年より月額1000円ではじめたマガジンでした。ただ、月額でのクオリティを維持していくことや、有料記事と無料記事のバランスが難しく2021年の3月分の更新で一旦終了となりました。ただ、そのまま止めてしまうのももったいないので、基本無料版としてスタートすることになりました。月額は無しで、参加ライターがそれぞれが自由に無料記事か有料記事を更新していく予定です。

メンバーは変わらず以下の通り。

f:id:kawapin:20210404123143j:plain

ゲームライターマガジン参加メンバー

カワチ https://twitter.com/kawapi

伊藤誠之介 https://twitter.com/ito_seinosuke

hororo/宅人 https://twitter.com/TakuJ_912

ラー油 https://twitter.com/daikai6

するめ(以下)マン https://twitter.com/IkamanS2

池谷勇人 https://twitter.com/tekken8810

伊藤ガブリエル https://twitter.com/gabriel8492

オピオン https://twitter.com/ophion_dengeki

どんな人たちなのかというのは、過去の座談会記事や動画をご覧くださいませ。

 

 なお、基本無料版でも、今まで通り月ごとにテーマを決めて執筆する【今月のテーマ】とプレイしているゲームの雑感を語る【今週やっているゲーム】のコーナーは残します。ただ、収益は無くなったのでテーマが思いつかないメンバーや仕事が忙しいメンバーは書かなくてもいいというスタンスになりました(笑)。読者のみなさんも、ゆるくお付き合いください。

 ということで、生まれ変わったゲームライターマガジン、1回めのテーマとなる2021年4月のテーマですが、【プロのゲームライターがオススメする販売終了前に絶対にダウンロードしておくべきゲームアーカイブスのソフト】にしようと思います。タイトルは盛っているので、あとで【俺の好きなゲームアーカイブス】ぐらいに変えるかもしれませんが。『PS3』『PSP』『PS Vita』のデジタルコンテンツが夏に販売終了ということで、思い出を語ろうかなってことです。

 まぁ、ゲームなんて今のものを今やるのがいちばんで、過去も未来も関係なく今を楽しむべきだと個人的には思っていますが、でもね、おっさんだから昔を語りたくなっちゃうんですよ。やっぱ「お前とはこの話で美味い酒が飲める」っていう名作ゲームはたくさんあるんです……。ということで、申し訳ないのですが今回ばかりは昔のゲームの話をたっぷり語らせてください!

 そんなこんなで、生まれ変わったゲームライターマガジンをみなさん、よろしくお願いします!

 

 

 

TOKYOHEAD RE:MASTERED

TOKYOHEAD RE:MASTERED

  • 作者:大塚ギチ
  • 発売日: 2013/01/11
  • メディア: 文庫
 
THE END OF ARCADIA EXTRA VERSION

THE END OF ARCADIA EXTRA VERSION

  • 作者:大塚ギチ
  • 発売日: 2016/08/11
  • メディア: 文庫
 

 

クリエイターのアツさが画面から直に伝わってくる『アライアンス・アライブ』の開発ドキュメンタリー

今回は大好きなRPG『アラアラ』のことをちょっと書きます。

とはいえ、ゲームのレビューは知り合いのライターであるまさんや渡邉さんがすでに熱く語っているので、自分は違う部分を紹介。

 

 

 それは、『アラアラ』の公式YouTubeにあるドキュメンタリー!

 これ、ゲーム好きの人はもちろん、熱い仕事ドラマが好きな人にぜひ見て欲しい動画なんです!!

 デベロッパー会社のキャトルコール編、アートディレクターの浅野雅世さん編、キャラクターデザインの平尾リョウさん編、シナリオの村山吉隆さん編、ゲームデザイン小泉今日治さん編、コンポーサーの浜渦正志さん編 、プロデューサー兼ディレクターの松浦正尭さん編の7つの動画が公開されており、普段は見れないクリエイターの制作の裏側が見れるようになっています。

 どれもメチャクチャ面白いのですが、個人的にオススメなのは村山吉隆さん編と松浦正尭さん編。

 

 泥臭く踏ん張り続ける男の熱き格好良さを見ることができます。

 仕様の変更や納期でツラそうにしながらも、すごく生き生きとゲームを作っているのが印象的なんですよね。作るのが好きなんだなというのがヒシヒシと伝わってきます。

▲アイディアが浮かばず、事務所で唸る村山さん

▲目を真っ赤にしながら追い込みの修羅場を楽しむ松浦さん

 そりゃ、こんな人たちが作っていれば面白いゲームができるよねというのが納得。

 映画とかだとメイキング映像って多いですが、ゲームももっと増えてほしいな~と思います。

 

アライアンス・アライブ HDリマスター - PS4

アライアンス・アライブ HDリマスター - PS4

  • 発売日: 2019/10/10
  • メディア: Video Game
 
アライアンス・アライブ - 3DS

アライアンス・アライブ - 3DS

  • 発売日: 2017/06/22
  • メディア: Video Game
 
アライアンス・アライブ HDリマスター - Switch

アライアンス・アライブ HDリマスター - Switch

  • 発売日: 2019/10/10
  • メディア: Video Game
 

 

『東京魔人學園剣風帖』に感情移入できる理由

 『東京魔人學園剣風帖』は、東京魔人學園伝奇シリーズの第1作として1998年6月16日に発売されたプレイステーション用学園伝奇ジュヴナイルゲームソフト。製作はシャウトデザインワークス、発売元はアスミック・エースエンタテインメント。ストーリーはADV、戦闘はSLGで展開する作品です。

 現代の東京を舞台に、不思議な能力を持った高校生たちが異形のものと力を合わせて戦う……。 そんな設定に燃え滾った人も多いのではないでしょうか。

 自分はこのゲームがなければゲーム業界にいなかったと言えるほど好きなソフト。無限に作品の魅力を語ることはできるのですが、今回はなぜ『東京魔人學園剣風帖』は感情移入できるのか、その核を担う2つのシステムについて紹介したいと思います。

 まずは「感情入力システム」。主人公は通常の選択肢ではなく、コントローラーの各ボタンに対応した愛・友・同・喜・悩・怒・悲・冷という8つの感情(加えてボタンを押さないことで無視も可能)を相手に伝えることができます。

 このシステムにより「俺、そんなセリフいわねー」という違和感がないんですよね。逆に想像力が働くぶん、より感情移入することができます。

 ただ、これ作るほうはすごく大変なシステムなんですよ。いくつも会話パターンを作らなければいけないのでボリュームが膨大。さらに、プレイヤーに「こういう意味で怒ったんじゃないんだけど」というふうに齟齬を生ませたら失敗してしまいます。

 かつて『東京魔人學園剣風帖』をリスペクトし、システムを模したゲームが発売されましたが、そちらはとても不評でした。作ろうと思って簡単に作れるものではないんですよね。

 もうひとつのポイントがインターバルの会話。1話完結型の本作では各話ごとに各キャラクターに部活などをさせて能力を上げることができます。

 ここで会話を選ぶと好感度が上昇するのですが、この会話がキモ。SLGだと戦闘に参加しないキャラクターが空気になりがちだし、各話で仲間になったゲストキャラクターたちにはその後のADVパートにもそれほど出番がありません。

 しかし、この会話があることにより事件を一緒に振り返ることで共に戦っている仲間であることを実感できるのです。ストーリーが進むにつれて関係も深くなっていき、会話も熱くなっていきます。

 このシステムのおかげで『東京魔人學園剣風帖』のキャラクターはユニットではなく、キャラクターとして生きてくるのです。

 いかがだったでしょうか。和風の世界観と熱い青春劇が楽しめる『東京魔人學園剣風帖』。黒魔術やクトゥルフ陰陽道など多彩なオカルトが作品に出てくるので、ためになるのかならないのかよくわからない知識もいっぱい手に入るのでぜひプレイしてみては?

 

東京魔人學園剣風帖 ザ・コンプリートガイド

東京魔人學園剣風帖 ザ・コンプリートガイド

  • 発売日: 2008/09/20
  • メディア: 単行本
 
東京魔人學園剣風帖(通常版)(特典無し)

東京魔人學園剣風帖(通常版)(特典無し)

  • 発売日: 2008/08/21
  • メディア: Video Game
 
~東京魔人學園伝奇 人之章~ 東京魔人學園剣風帖繪巻
 
東京魔人學園 メモリアル

東京魔人學園 メモリアル

  • 発売日: 2004/05/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

隠れすぎた名作『デバイスレイン』を振り返る

 『デバイスレイン』は1999年2月25日にプレイステーションセガサターンで発売されたシミュレーションゲームで、原画はmooさん。

画像1

 

 

 mooさんといえば、恋愛シミュレーションの『エターナルメロディ』『悠久幻想曲』シリーズがいちばん有名で、次にミステリーアドベンチャーの『此花』シリーズが知られているのではないでしょうか。

 この『デバイスレイン』は『悠久幻想曲』と『此花』シリーズの間に発売された作品なのですが、あまり知名度が無いんですよねぇ。ほかの作品よりも恋愛要素が薄いからかしら……。

 世界観としては、普通の高校生だった雲野十夜が、とあるきっかけでオーパツという神話や都市伝説の情報を組み込んだ武器“オーギュメント”を手に入れ、非日常の世界に身を投じていくというもの。

画像2

画像3

画像10

 ……みなさん、お気付きですよね? はい。ボクの大好きな中二病作品です。

 ただ、誤解してほしくないのは既存作品の安易な劣化コピーではない、しっかりした作品だということ。本作のシナリオを担当しているのは、あのスタジオオルフェ。オルフェは萌えゲー『ゆめりあ』でも後半でガチのSFを展開しましたが、本作も凝ったSFの設定がたくさん用意されています。作風は中2病ですが、雰囲気だけでごまかすことはなく、しっかり設定が練られています。

画像4

 物質はすべて“イデア情報”によって存在が確立しており、その“イデア情報”を人工知能で結晶化させたものがオーパーツイデア情報は周囲に発信されており、周りのものが受信することでその物質の存在が確定する。そのため、認識を変えればイデア情報を変更させることができる……といった設定は戦闘システムにも上手に絡んいます。

画像5

 また、各オーパスは偉人の持ち物だったり都市伝説に出てくるアイテムだったりするので、そのウンチクが物語のなかで語られるのがワクワクしました。正直、今でも『FGO』をプレイしていて、このゲームのことを思い出します(笑)。それこそ『FGO』にも登場するジャンヌ・ダルクマリー・アントワネットビリー・ザ・キッドの逸話も登場しますが、もっとマイナーなところから引っ張ってくることも多いです。

 主人公の武器からしてジョン・ボールの鎌ですからね(笑)。本作をプレイしていると歴史に詳しくなります。

画像6

画像7

 学園モノっぽい雰囲気ですが学園生活部分があまり出てこなかったのは個人的に不満でしたが、実際の東京を舞台にしているので臨場感はありました。

画像8

 声優陣なども豪華で、とくにメインヒロイン役の坂本真綾さんはエンディングテーマも歌っていたのですが、残念ながら作品自体があまり話題にならず。

 戦闘があくまでアドベンチャー部分のおまけの枠を出ていなかったのと、少しアクの強い絵柄がヒット出来なかった要因なのかなと思っています。

画像9

 ゲームアーカイブスでも配信されていないので気軽にプレイすることはできませんが、気になったらプレイしてもらいたいですね。

 

デバイスレイン

デバイスレイン

  • 発売日: 1999/02/25
  • メディア: Video Game
 
デバイスレイン

デバイスレイン

  • 発売日: 1999/02/25
  • メディア: Video Game
 

 

もうひとつの故郷になる『リフレインラブ2』というゲーム

 もう何度も方々で語っていることであるが筆者はプレイステーションの『リフレインラブ2』が大好きである。

 『リフレインラブ2』はプレイステーション時代に発売された数ある恋愛アドベンチャーのひとつだが、とにかく作品に流れる空気感が抜群に良かった。

 ストーリーは大学に合格した主人公が桜咲町という街にある「緋色館」という共同アパートに引っ越してきて、そのアパートの住人や街に住む人々と交流していくという内容。

 CEDEC 2007の「アドベンチャーゲーム復権」セッションで、製作者の堀幸司さんが『リフレインラブ』は“そこに世界がある/空気があるという感覚を目指した”と明かしているけど、本当に作品への没入のさせかたが上手だった。自分の中ではギャルゲーというよりライフシミュレーションだ。

 舞台となる緋色館が3Dダンジョン風になっていて主観視点で歩けるといったギミックもあったけど、「ナレーションが存在せずラジオドラマ的に進行している」とか、言われないと気づかないハッとする細かいポイントも多い。

 あと、女の子との恋愛だけでなく、共同アパートで暮らす仲間との生活や、街に暮らす人々との交流までしっかり描いているのも重要。本当にその土地の住人になったような気分にさせてくれる。

 物語で描かれるドタバタ騒ぎもおもしろかったし、「このキャラクターだったらこういう行動をするよな」とか「こういう意外な一面もあるんだ。でも納得」みたいな説得力があって良かった。なんというか、みんな生きているキャラクターという感じがした。そんななかでも、とくにマリーは群を抜いていいキャラクターだった。

 最終的にエンディングで住人たちが緋色館を離れて別々の人生を歩んでいく姿が描かれるのもよかった。ラストに表示される「Time passes and things begin. but in your heart the Hiiro-kan lives on.」がとても印象に残っている。

 残念ながらゲームアーカイブスにはなっていないけど、ぜひパッケージ版を入手してプレイしてみて欲しい。

 

 

 

 

ぼくたちのギャルゲークロニクル (オークスムック730)

ぼくたちのギャルゲークロニクル (オークスムック730)

  • 発売日: 2016/01/29
  • メディア: ムック