カワチブログ

ライター・カワチのブログです。更新頻度は低いですが、なる早でなんとかします。

もうひとつの故郷になる『リフレインラブ2』というゲーム

 もう何度も方々で語っていることであるが筆者はプレイステーションの『リフレインラブ2』が大好きである。

 『リフレインラブ2』はプレイステーション時代に発売された数ある恋愛アドベンチャーのひとつだが、とにかく作品に流れる空気感が抜群に良かった。

 ストーリーは大学に合格した主人公が桜咲町という街にある「緋色館」という共同アパートに引っ越してきて、そのアパートの住人や街に住む人々と交流していくという内容。

 CEDEC 2007の「アドベンチャーゲーム復権」セッションで、製作者の堀幸司さんが『リフレインラブ』は“そこに世界がある/空気があるという感覚を目指した”と明かしているけど、本当に作品への没入のさせかたが上手だった。自分の中ではギャルゲーというよりライフシミュレーションだ。

 舞台となる緋色館が3Dダンジョン風になっていて主観視点で歩けるといったギミックもあったけど、「ナレーションが存在せずラジオドラマ的に進行している」とか、言われないと気づかないハッとする細かいポイントも多い。

 あと、女の子との恋愛だけでなく、共同アパートで暮らす仲間との生活や、街に暮らす人々との交流までしっかり描いているのも重要。本当にその土地の住人になったような気分にさせてくれる。

 物語で描かれるドタバタ騒ぎもおもしろかったし、「このキャラクターだったらこういう行動をするよな」とか「こういう意外な一面もあるんだ。でも納得」みたいな説得力があって良かった。なんというか、みんな生きているキャラクターという感じがした。そんななかでも、とくにマリーは群を抜いていいキャラクターだった。

 最終的にエンディングで住人たちが緋色館を離れて別々の人生を歩んでいく姿が描かれるのもよかった。ラストに表示される「Time passes and things begin. but in your heart the Hiiro-kan lives on.」がとても印象に残っている。

 残念ながらゲームアーカイブスにはなっていないけど、ぜひパッケージ版を入手してプレイしてみて欲しい。

 

 

 

 

ぼくたちのギャルゲークロニクル (オークスムック730)

ぼくたちのギャルゲークロニクル (オークスムック730)

  • 発売日: 2016/01/29
  • メディア: ムック